試験おつかれさまでした。労働衛生で受験者が一番多かったであろう労働衛生法令試験について簡単に解説します。
問1 解答(3)
常時使用する労働者が600人
第51回 労働衛生関係法令 試験問題より抜粋
有害な業務として著しく寒冷な場所における業務のみに常時40人を従事させている製造業
例年に比べて1問目はかなり易化しています。衛生管理者は「常時600人」なので3人選任するのは当然ですね。では、衛生工学衛生管理者を選任しなければならない作業場を覚えていますか?
寒冷業務では衛生工学衛生管理者は選任しなくていいんです。それだけで選択肢が1つに絞れます。
問2 解答(5)
よく出てくる定期自主検査の問題ですね。
昨年、試験勉強した際に上記サイトのゴロで覚えていました。これだけで即答です。
問3 解答(4)
製造禁止&許可物質すべて覚えていますか?今回は覚えているだけでは即答はできませんが、選択肢(1)(2)の2つを除外できる問題でした。
訳がわからないシチュエーションですが、気に入ってしまいこれで自分はゴロで覚えていました。
めちゃくちゃなゴロでも記憶してれば自分のものです。製造許可物質は製造場所から他県に移動する事もあるかもしれないので都道府県労働局長ではなく、厚生労働大臣の許可が必要となります。(ちなみに製造禁止物質は試験研究の場合のみ製造できるが、この時には都道府県労働局長の許可が必要)
解答は(4)だと思うのですが、(5)が聞き馴染みがなかったので厚労省のサイトで調べてみました。
混合物のラベルを作成する方法はいくつかあるみたいですが、含有量については必ずしもラベルに記載されていないようです。自信がないので、ご意見いただけると嬉しいです。
問4 解答(3)
これはゴロで瞬殺できる問題です。
サイコパスな医師が戦力となるために医局から関連病院に派遣されたけど、あまりのヤバさに後輩が変わりに行くことになったというストーリーです。
このゴロでは細かな業務についての漏れがありますが、過去問含めほぼ対応できます。頻出問題ですので、このゴロだけでも今日は覚えてください。
さて、(3)の選択肢を見ると後半の記述が間違っていますね。誤っている選択肢を選ぶ問題ですので、これで即答できます。
高圧室内作業に係る業務は特別教育の対象であるが、再圧室を操作する業務は特別教育の対象にならない。 →対象になるが正しい。
第51回 労働衛生関係法令 試験問題より抜粋
問5 解答(5)
ゴロは万能ではないので、今回はこのゴロだけでは対応できません。「ほうし」を放射性物質と覚えていれば解けますが、「放射線かな?」とだけなんとなく覚えているとイの選択肢が正解に見えてしまいます。
放射線業務を行う管理区域は作業環境測定士による測定が義務付けられている指定作業場ではありません。放射線物質や放射線事故廃棄物の取り扱いでは作業環境測定士が必要となります。ここでもう1つゴロを紹介します。
これもネット上が出所でメモしていたのですが、参照元が見つかりませんでした。
ロ(6ヵ月→〇)、ハ(6ヵ月→×)で選択肢を絞ることができます。
あとは知識で答えるしかないですね。たまたまですが今回はイ~ハの正誤がわかれば答えは(5)に絞れる選択肢になっています。
ニは測定すべきものが酸素欠乏作業主任者なので×。
ホは測定実施者について法令で定められていません。
「わかるわかる!第一種衛生管理者試験(p.51)」をぜひご確認ください。
問6 解答(3)
これは過去問でも何度も出ています。
既往歴・業務歴は省略できませんし、体重や視力も省略不可です。ゴロはありません。
問7 解答(1)
ハ:5年間ではなく3年間と知っていればハが選択肢から消える。
選択肢を見るとハがない選択肢は(1)or(5)となる。
そうなるとイの正誤が知りたいところ。労働衛生コンサルタントについての問題で過去問でも見たことがないタイプの問題です。労働衛生コンサルタント規則に記載がありました。どうやらイの文章は合っているようです。
(報告)
第二十一条 厚生労働大臣、都道府県労働局長又は労働基準監督署長は、法第百条第一項の規定に
より、コンサルタントに対し、必要な事項を報告させ、又は出頭を命ずるときは、次の事項を通知するものとする。
一 報告をさせ、又は出頭を命ずる理由
二 出頭を命ずる場合には、聴取しようとする事項
労働衛生コンサルタント自身についての問題が出るとは思わなかったな・・・
問8 解答(2)
著しく多湿な場所は立ち入り禁止とはなっていませんので、答えは(2)です。
問9 解答(5)
ハは特別教育のゴロを振り返ると誤った内容だとわかります。
選択肢にハが含まれているのが(4)か(5)なので選択肢ニの正誤がカギとなっています。
有機溶剤の色分けによる表示は第1種から順に危険なものから信号の逆で「赤→黄→青」で覚えやすいです。選択肢の文章でもし気になるとすれば「色分け以外の方法により」という記載が有機則25条にあったかどうかですが、常識的に考えれば色覚多様性(色盲)の方への配慮ということでしょう。
問10 解答(1)
多すぎるので特別管理物質はゴロは作ってないですね・・・
https://jsite.mhlw.go.jp/shizuoka-roudoukyoku/content/contents/001303216.pdf
知識問題なので知らなかったら終了ですが、正答率をほんの少し高めるための手法を紹介します。
(2)スチレン、(3)トリクロロエチレンって他の項目を勉強しているときに聞いたことないですか?どちらも特殊健康診断で生物学的モニタリングが義務付けられています。1つ選ぶ問題なので、このどちらかだけが特別管理物質で、片方が違うというのは考えにくいですよね。ちなみに、2つとも特別有機溶剤であり、特別管理物質です。
「特定第2類物質」「管理第2類物質」「特別管理物質」「特別有機溶剤」というこれらの定義が頭の中でごちゃごちゃになってしまうと思うので、この機会に再度確認しておきましょう。
「わかるわかる!第一種衛生管理者試験(p.112)」をぜひご確認ください。
問11 解答(1)
これもゴロは特にないですね。先程から「わかるわかる!第一種衛生管理者試験」をやたら推奨していますが、この本の欠点として鉛則や電離則についての記載が少ないんですよね・・・
そのためこんな感じで書き込んだり、余白がなければ付箋紙に追記して使っています。自分のメモではどうやらR2年の問題4に似たような問題が出ているらしいので見てみましょう。
過去問に目を通しておけばイが正解だと即答できるので、やはり過去問は大切ですね。
ロの水晶体についての記述は合っていますが、ニは150mSV/年ではなく、500mSV/年が正解です。
問12 解答(3)
他の選択肢が長々と書かれていて迷ってしまいそうですが、第2種酸素欠乏危険作業では酸素欠乏+硫化水素危険作業主任者技能講習を受けた人から作業主任者を選ばなければならないので、即答できる問題ですね。
衛生法令関係の試験ではこのような他の選択肢に惑わされずに、キーワードを見つけ出すことが非常に大切になります。
問13 解答(3)
イは発熱するストーブなどは毎日点検しないとCO中毒を起こしたら危ないので、1ヵ月に1回の点検では足りないですね。
ロは最近改正されましたね。70ルクスの記載がなくなりました。改正されたトピックは出題されやすい傾向があります。
ハは3メートルではなく、4メートル。
ニは半年に1回は大掃除と覚えておきましょう。
問14 解答(2)訂正
コメント欄でご指摘頂きましたので、そちらも併せてご確認ください。
(1):こんなの知らないよねー。この知識を知ってた人は素晴らしいです。下の通りみたいです。
(3)
(4)安衛則で作業主任者の掲示は記載がありますが、石綿則で労働者まで記載義務はないと考えます。条文見落としてたらごめんなさい。
(作業主任者の氏名等の周知)
第十八条 事業者は、作業主任者を選任したときは、当該作業主任者の氏名及びその者に行なわせる事項を作業場の見やすい箇所に掲示する等により関係労働者に周知させなければならない。
(5)作業記録は40年間保存が義務付けられていますが、設問の内容を見ると3年間保存でよいため違反していないと考えます。
この設問はちょっと自信がないので、意見がありましたらコメントください。
石綿則も令和2年に改正されたので、やはり直近で改正された法令は出題されやすいのでしょうか?
問15 解答(5)
イ:管理1は療養の対象外です。管理2 or 3で合併症のある者と管理4が療養対象
ロ:R3年度衛生法令の問15での過去問で類題が出ていましたね。今回は正しい選択肢として登場。
ハ:これは覚えておきましょう。過去に粉じん作業に従事していた管理2の労働者場合、1年に1回ではなく3年以内ごとに1回です。
ニ:これも基本的な内容なので覚えておきたいところです。それぞれの管理について、どのような対応になるか確認しておきましょう。
労コン試験を受験された方は本当にお疲れさまでした。後輩から試験問題を貰って解答を作ったのですが、昨年より全体的に簡単になっている印象です。選択肢の文章は短めで時間に余裕をもって解くことができたのではないでしょうか。
自分は趣味で労コンの資格は持ってはいますが、現時点で産業医活動はしていませんので使う予定は全くありません。でも、持っていると産業医免許更新に単位が必要ないというメリットがありますね。今回の解答を作るにあたって、情報参照に結構時間を要したので、衛生一般の解答は作りません。
昨年の受験の際に作った暗記用ゴロを発表するいい機会になりました。1月の口頭試問でも使えるものがあれば、ぜひ使ってみてください。
何か気が付いた点がありましたら当ブログまたはX(Twitter)で教えていただければ幸いです。
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