フリーランス医師への移行準備(前編)

コラム

はじめまして。Dr.ふらっとです。

フリーランス内科医として活動しています。自分の経験をもとに大まかなフリーランス医への移行の流れを解説します。

目的をはっきりさせる

 安定している常勤医を辞めてフリーランス医へ移行した方には様々な理由があるでしょう。

  • 働き方を変えたい
  • 自由にスケジュールを組んで働きたい
  • 収入を増やしたい etc…

 転職する理由が本当にフリーランス医でないと実現できないことなのか考えなおしてみてはいかがでしょうか。リンク先の記事を読んだ上で、それでも転職を希望するならば、続きを読んでください。

「常勤医師」であるメリットを上回る理由がなければ、無理にフリーランス医へ移行する必要はありません。

転職する時期を決める

 年度はじめの4月からの勤務開始の募集をかけている施設・病院がほとんどです。

 欠員,診療体制増強などを目的に4月以外の時期にも募集はありますが、圧倒的に4月開始が多いです。翌年度の4月に欠員が出ることが予めわかっているため、病院側は早ければ半年前(前年の秋頃)から募集を始めています。

 フリーランス医にスムーズに移行するためには働きながらの転職準備で問題ないですが、余裕を持ってできれば6ヶ月間ほどの準備期間があることが望ましいです。

 転職を機に転居することも前提であれば、更に余裕を持って準備期間を設けておくとよいでしょう。

目標年収を設定する

まずはここからです。「収入が何よりのモチベーション!」という方も多いでしょう。

一方、仕事量・年収を多少減らしてでも子育てや趣味を優先する方もいると思います。

極端な話ではありますが、非常勤に加え日と日直・当直直業務を入れてバイト漬けのスケジュールを組めば年収3,000万円も目指せます。

 週2回の定期非勤務でも年収800万円は目指せるため、育児に忙しい女性医師やダブルインカムで仕事量を減らしたいという方もいるでしょう。

厚生労働省の令和3年度賃金構造基本統計調査によると、医師の平均年収は、45.3歳で1,378万円ほどとなっています。

https://careergarden.jp/ishi/salary/

勤務形態を決める

フリーランスの主な働き方はというと定期非常勤、スポット勤務、もしくはその両方の組み合わせとなります。

定期非常勤:毎週・毎月決まった曜日、日にちでの定期的に勤務する

スポット勤務:1回単位でその都度契約し、不定期に勤務する

定期非常勤をメインにすると週単位でスケジュール組めるので1週間のリズムが作りやすいという点が何よりのメリットです。その反面、長期的な休暇は取りにくいかもしれません。

スポット勤務のみでスケジュールを組む場合はそのスケージュールの自由度が何よりのメリットです一方で、毎回毎回契約をして勤務スケジュールを自分で組む労力が必要となります。確定申告の際の源泉徴収票も山にような数になります。

 フリーランス医師の内訳を見ると定期非常勤を選ぶ方が多いです。そこに休日にスポット勤務を組み合わせる働き方がおすすめです。すべてスポット勤務のみで働いている方も少数いますが、居住地域や専門分野によっては実現が困難な場合もあります。

年収の目標を設定する

 フリーランス医師のモチベーションは年収にあるといっても過言ではないでしょう。働けば働いた分だけ収入が増えるというのは常勤医と異なる大きな魅力です。

年収手取り  手取りの割合
  1,000万円  約720万円72%
  1,500万円  約1,010万円67%
  2,000万円  約1,280万円64%
  2,500万円  約1,536万円61%
  3,000万円  約1,780万円59%
年収別の手取り早見表

年収が増えれば増えるほど、所得税の重みを感じますね。実際の手取りを考慮して、目標年収を設定するとよいでしょう。

 1年間は約52週間ですが、年末年始・祝日などを考慮するとおおよそ50週間と捉えたほうが計算しやすいです。年収1500万円を目標とする場合は、1週間あたり30万円程度の収入が目標となります。

 非常勤勤務は時給1万円前後が相場となっています。1日8時間勤務の場合は4日間で32万円となり目標に届きます。

  • 年収1,200万 週3日勤務
  • 年収1,500万 週4日勤務
  • 年収2,000万 週5日勤務

上記に超過勤務代、スポットバイトの収入を加えて年収が決まります。ライフワークバランスを考えて目標収入を設定してみましょう。

週単位のスケジュールを決める(定期非常勤の場合)

 定期非常勤の場合ですが、1週間のスケジュールでどの曜日に勤務するかを設定することが最初の一歩となります。

3連休パターン

  • 月曜日 or 金曜日を休みとして3連休とする
  • 1泊2日の当直を休みの日に入れやすい
  • 平日が休みとなるので旅行に安価で行くことができる

中休みパターン

  • 水曜日を休みとする
  • 週当たり2連勤×2回のため身体的負担が少ない

 他にも様々なパターンが考えられますが、実際は住んでいる地域でのスポットバイトの募集や自身のライフスタイルに合わせてスケジュールを組んでみましょう。

 例えば日曜日から月曜日の朝までの当直バイト募集が多い地域であれば、月曜日を休みにしておくと条件にあったスポットバイトを入れやすい等のメリットがあります。

簡素な説明にとどめますが、フリーランス移行までのイメージはできましたか?続きは【後編】で説明していきます。

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