労働衛生コンサルタント試験(以下労コン)の願書提出が先日締め切られました。産業医のみならず、労働衛生のスペシャリストを目指す方が受ける試験です。受験資格のハードルは高くはないものの、筆記試験が特に難しいことが特徴です。
昨年書いた記事を簡潔にまとめた内容になので、以下の記事と重複する点も多いかと思います。
筆記試験の合格率は?
年度ごとに合格率は異なりますが約3割といわれています。かなり難しく感じるでしょうが、難易度を下げるいくつかの方法がありますので、これは後ほど紹介します。
ちなみに2022年は筆記試験の合格率は33.2%となっており、例年並みの難易度だったようです。
受験科目について
① 労働衛生一般
2時間、30問の選択問題
② 労働衛生関係法令
1時間、15問の選択問題
③ 健康管理
2時間、4問から2問を選ぶ記述問題
これは過去問を解いてみないと実感できませんが、難易度は③健康管理>②法令>①一般となります。
医師免許を持っていれば①③は免除できます。また、指定された講習を受けた場合のみ②も免除できるため、筆記試験を受けずに口述試験のみ受験することができます。
選択すべき受験科目について
合格基準を改めて確認すると以下のように記されています。
総点数のおおむね60%以上。ただし、各科目ごとで満点の40%未満のものがある場合は不合格となります。
健康管理は受けないほうがいい
健康管理は記述式です。4問から自分の得意な問題を2問選ぶ形式で、かなり細かい内容まで問われます。また、採点基準が明確ではないため、自己採点ができません。
筆記試験受験前に過去問の模範解答を見ておくことで他の科目の勉強にはなりますが、できることなら免除したほうがいいでしょう。
勉強時間に余裕があれば一般も受ける
試験までに勉強時間が確保できない場合は法令問題のみ受けるのが良いでしょう。しかし、法令問題は非常に難易度が高いのが特徴です。一見合っているように見える選択肢でも、。「間違っているとは言えない」「○○の場合はその限りではない」のような選択肢が多いです。
問題数が少ないのも怖いところであり1、2問足りずに不合格となる人が毎年多数出ています。東京会場では受験番号ごとに席が決まっており、どの人が法令問題のみ受験したのかわかりますが、合格率は2割以下でした。
一般問題は選択肢が長文ではないものが多いです。仮に法令問題で合格に2問届かなかった場合でも、一般問題で7割取れれば逆転合格となります。
おすすめの書籍
試験勉強は2か月あれば十分と考えます。正直、専門医試験より難しいと自分は感じました。何から手を付けたらいいのかわからない方のために自分の勉強法を紹介します。
労働衛生のしおり(令和5年度版)
最新版(令和5年度)がもうすぐ出るので、ぜひそちらを購入してください。
自分はメインの参考書としては使いませんでした。むしろ口述試験の際に巻頭カラーページが役に立った印象です。自身で調べものをする際の辞書のような立ち位置の本です。
わかるわかる! 第一種衛生管理者試験
衛生管理者試験の参考書ですが、これが非常によくまとまっています。これだけでは解けない問題も確かにあるのですが、7割程度はカバーしています。最初から過去問を解くのもいいですが、参考書を一読してから過去問に取り掛かるほうが理解度が上がります。
重要な部分は青ラインマーカーを引いて赤シートで隠す手法が非常に役立ちました。2020年発行で、一部最新情報ではない点は注意が必要です。
労働衛生コンサルタント試験問題集
過去2年分までは公式サイトで見れますので解説不要であればそちらでもいいでしょう。解説がやや冗長な部分があり理解に時間を要します。過去問は6年分やれば十分です。1冊で2年分となっているので、3冊買えばOKです。
自分は5年分買おうとして5冊注文したら、注文後に電話で確認されました。2年分が1冊になっている点を忘れずに。
実務家のための労働安全衛生のサイト
神サイトです!
過去問の解説が公式本よりわかりやすいです。解説が丁寧で理解しやすく、このサイトのおかげで合格したといっても過言ではありません。
労コン会の試験対策は受けるべき?
日本安全衛生コンサルタント会で受験準備講習会が開催されています。これについてはいろいろな意見があると思いますが、筆記試験については受けなくてもよいと思われます。最新情報のアップデートなど重要な部分もあるとは思いますが、自分は筆記試験では受講しませんでした。
口述試験では受講しましたが、そちらは非常に勉強になったのでお勧めします。受講料が高いので、すべて受けるとなかなかの金額になりますから・・・
さいごに
筆記試験は過去問が最重要で、それ以外の知識をいかに短期間で詰め込むかが問われます。また、試験時間は1問あたり4分設けられていますが、結構ギリギリになることも多いです。年1回しか受けられない試験ですので、時間的猶予がある今のうちから勉強を始めてみてはいかがでしょうか?
覚えるべき法令、事項などについては少しずつ試験に向けて当ブログで更新していく予定です。
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