産業医資格を取得したい方向けに東京医科歯科大学、産業医科大学などが集中講座を毎年開催しています。しかし、近年コロナウイルスの流行もあり、講座が中止になる事も多く、抽選制となったため受講希望していたにもかかわらず受講できない方が出てきています。
そのような状況で産業医資格を取るもう1つの方法として労働衛生コンサルタント資格に注目が集まっています。集中講座に比べると費用が抑えられますが、試験合格のためにはそれなりの勉強量が必要となります。
1.労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識についての研修であって厚生労働大臣が指定する者が行うものを修了した者
2.産業医の養成等を行うことを目的とする医学の正規の課程を設置している産業医科大学その他の大学であってその大学が定める実習を履修したもの
3.労働衛生コンサルタント試験に合格した者で、その試験の区分が保健衛生であるもの
4.学校教育法による大学において労働衛生に関する科目を担当する教授、准教授又は講師の職にあり、又はあった者
労働安全衛生規則 第14条 第2項
今回産業医未経験ながら受験しました。労働衛生コンサルタント、衛生管理者試験を受ける予定の方向けの記事となっています。医師以外の方もぜひご覧ください。
受験までのスケジュール
- 8月上旬受験申請書の提出
- 9月下旬受験票の受け取り
郵送で試験20日前までに届きます
- 10月中旬筆記試験
全国7ヵ所の会場で実施
- 1月下旬口述試験
全国2カ所(東京・大阪)の会場で実施
- 3月合否発表
受験申請
受験申請書を取り寄せる必要があるため、これがなかなか大変です。本部・衛生技術センターに郵送で請求するか、直接最寄りの取扱機関に直接受け取りに行く必要があります。
また、医師であれば医師免許証で受験資格を満たすことができますが、職場などでの原本証明が必要なので、時間に余裕をもって申請したほうがいいですね。
筆記試験(1次試験)
産業医を取得したい方は保健衛生区分になります。試験は各地方の主要都市7ヵ所で受験できます。自分は東京会場で受験しました。
試験科目は衛生一般(マーク式)、関係法令(マーク式)、健康管理(記述式)です。すでに既定の研修会等を受けていれば筆記試験はすべて免除できますが、医師免許を持っているだけでは衛生一般と健康管理の2科目のみ免除となります。
免除できない関係法令は難易度が高い試験です。全15問のマーク式で6割が合格ラインなのですが、重箱の隅の隅をついてくる問題が含まれています。法令に相当の自信があれば免除を最大限利用して関係法令のみでの受験することもできます。自分は衛生一般を免除せずに2科目受験することに決めました。理由は主に2つあります。
- 関係法令が合格点に満たない場合もカバーできる可能性がある
問題数は関係法令は15問、衛生一般は30問です。それぞれの科目で6割必須ではなく、合計45問で6割取れれば合格となります。また、衛生一般は医学的な内容も含まれておりやや難易度は低いです。ただし、いずれかの科目が4割未満ですと不合格となります。 - 2次試験の口述のための予習ができる
口述試験では法令のみならず幅広い知識が問われるため、筆記試験での勉強はそのまま口述に活かすことができます。
同じ職場で受けたもう1名も健康管理のみ免除して受験していました。筆記は自己採点も難しく、マーク式のみ受験が無難な選択かもしれません。
口述試験(2次試験)
1月下旬に行われる試験です。自分もこれから受験するので、知識を深めて受験前に当サイトで情報提供できるように頑張ります!
有用だった参考書
労働衛生コンサルタントに特化した参考書はないため、衛生管理者試験向けの書籍をいくつか購入してみてよさそうなもの数冊に絞って最後は勉強していました。
わかるわかる! 第一種衛生管理者試験
衛生管理者向けの参考書ですが、労働コンサルタント試験の勉強は衛生管理者試験の参考書をまずは買って一通り読んでみるのが良いでしょう。この参考書の細かいところまで読めば半分以上の問題には対応できます。ただ、法令の細かな点については不足している部分も多く、この参考書のみでは不十分です。
労働衛生のしおり
最新版の購入をおすすめします。特にカラーページの統計、グラフなどは衛生一般で出題されることもあるので、必ずチェックしておきましょう。
労働衛生コンサルタント試験問題集
日本労働安全衛生コンサルタント会のHPより購入できます。過去問が2年分で1冊にまとまっています。2年分で4,600円となかなかお高いです。過去問の応用で解ける問題もあるので、必ず本番までには解いておきましょう。自分は6年分購入して解きました。
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